本書を聴いてみて、面白いと感じた部分をまとめました。
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本書の目次
第1章 論理的・理性的な情報処理スキルの限界
第2章 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場
第3章 システムの変化が早すぎる世界
第4章 脳科学と美意識
第5章 受験エリートと美意識
第6章 美のモノサシ
第7章 どう「美意識」を鍛えるか?
エッセンス
理性や論理だけで、意思決定をするには限界がある。そこから一歩進んだ意思決定をするには美意識が必要である。
説明
論理的、理性的に考えること。
このような「サイエンス思考」はビジネスマンにとって必須スキルだ。
しかし、「サイエンス思考」だけで意思決定を行う、ということは、正解がみなと同じになるということです。
つまり、正解のコモディティ化が起こる。
経営の意思決定が過度にサイエンスに傾くと、社会に新しい付加価値をもたらすようなサービスを生み出せなくなります。
たとえば、世界中で爆発的に売れたソニーのウォークマンは、
同社創業主の盛田昭夫氏の発案であったが、社内ではかなりの反対があったらしい。
理由は、マーケティングの結果では、録音機能の無いテープレコーダーは消費者に受け入れられないというものだった。
しかし、その反対を押し切り、販売まで漕ぎ着けたところ、結果は大成功となった。
既存の概念に囚われない製品や、会社の理念といった、論理や理性だけで生み出すことができないものについては「美意識」が必要となってくる。
ただし、会社を経営するには、美意識だけでなく、他者を納得させるための論理や数理的な思考も必要となるため、両者のバランスとりが難しい、という話になる。
美意識とサイエンスを共存させるには
経営のトップに「美意識」を持つ人物をおき、
その補佐にサイエンス的思考をする人物を据えるのが理想の体制だと著者は述べている。
これが逆になると、「美意識」は論理的に価値共有を行うことが困難であることから、サイエンス側のトップを説得できず、美意識側の意見が経営に反映されにくくなる。
もしソニーのトップがサイエンス型の人間で、盛田氏がその部下だったなら、先述のマーケティングの結果を理由に、ウォークマンの稟議が通らなかった可能性は高い。
つまり、現代の社会におていは「サイエンス」以上に「美意識」を持つ人間が組織のトップとてして求められいる。
故に、エリートは美意識を鍛える、ということです。
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