Chrony の読み方
Chrony (クローニー) です。
Chronyとは
NTPクライアントとNTPサーバーの実装のひとつ。
ntpdより効率良く正確な時刻同期を提供します。
Chrony を使用すると、以下のことが実現できます。
- システムクロックを、NTP サーバーと同期する
- システムクロックを、GPS レシーバーなどの基準クロックと同期する
- システムクロックを、手動で入力した時間と同期する
- ネットワーク内の他のコンピューターにタイムサービスを提供する
Chrony公式
chronyc sourcestats コマンドとは
chronyc sourcestatsコマンドは、chrony ソースの統計情報を表示するコマンドです。
さらに細かく言うと、chronyd が現在調べている各ソースに関するドリフト量とオフセット推定プロセスの情報を表示するコマンドです。
chronyc sourcestatsコマンドの出力結果の見方
コマンドの実行例は以下の通りです。
$ chronyc sourcestats
210 Number of sources = 4
Name/IP Address NP NR Span Frequency Freq Skew Offset Std Dev
==============================================================================
time.cloudflare.com 26 15 35m +0.486 1.408 +4181us 1107us
mx.execve.net 23 13 30m -0.117 0.803 +333us 554us
ntp-b2.nict.go.jp 24 9 30m +0.164 2.353 -385us 1394us
falseticker.ntp.infomani> 10 7 32m -2.671 4.711 -3487us 1159us
-vオプションを使用することでコマンドの詳細情報を表示することができます。
vはverbose (詳細) という意味です。
$ chronyc sourcestats -v
210 Number of sources = 4
.- Number of sample points in measurement set.
/ .- Number of residual runs with same sign.
| / .- Length of measurement set (time).
| | / .- Est. clock freq error (ppm).
| | | / .- Est. error in freq.
| | | | / .- Est. offset.
| | | | | | On the -.
| | | | | | samples. \
| | | | | | |
Name/IP Address NP NR Span Frequency Freq Skew Offset Std Dev
========================================================================
foo.example.net 11 5 46m -0.001 0.045 1us 25us
Name/IP address
NTP サーバー (またはピア) の名前または IP アドレスが表示されます。
または、その行の残りの部分が関連する基準クロックの参照 IDが表示されます。
NP
現在サーバーで保持されているサンプルポイントの数です。
誤差レートと現在の線形回帰を実行することで予測されます。
NR
最新の回帰を追跡している同一サインを持つ剰余の実行数です。
この数字がサンプル数に対して少なくなりすぎる場合は、直線がデータに適合しなくなったことを意味します。
実行数が少なすぎる場合、chronyd は古いサンプルを破棄し、実行数が受け入れ可能な値になるまで回帰を再実行します。
Span
単位が表示されない場合は、秒数を表しています。
-vの例での間隔は 46 分(m)です。
Frequency
これは予測されるサーバーの剰余周波数で、ppm (100 万分の 1) で表されます。
-vの例の場合、このコンピューターのクロックは、このサーバーに対比して 10の9乗分の 1 遅く稼働していると見積もられています。(100万は10の6乗)
Freq Skew
Freq の予測されるエラー範囲です 。
ppm (100 万分の 1) で表されます 。
Offset
ソースの予測されるオフセットです。
Std Dev
サンプルの予測される標準偏差です。
この記事のソース
この記事はこちらのマニュアルを参考に作成しています。
ドリフトとは
測定対象や条件を固定しても、時間とともに示される値がしだいにずれること。また、その値。参考: デジタル大辞泉
「ドリフト」とは、一定の環境条件の下で、測定量以外の影響によって生じる計器特性の緩やかで継続的な「ずれ」を意味する。参考: 保全技術アーカイブ
オフセットとは
オフセットとは、何かの位置を指し示す際に、基準となる位置からの差(ズレ)を表す値のこと。
今回の話では、NTPサーバーを基準としたNTPクライアントとの時間のズレを指す。
参考: IT用語辞典 e-Words
サンプルとは
統計用語。母集団から抽出したデータの集まりのこと。標本とも言う。
線形回帰とは
線形回帰とは、統計学の「回帰分析」の一種です。
回帰分析を説明する一つの例として、身長と体重の関係を考える。
一般的に身長が増えると、体重も増えます。
このように、とある値(身長)が与えらた時に、それと相関関係のある値(体重)を説明・予測することを「回帰分析」と呼びます。
では、回帰分析に属する「線形回帰」 とはなにか。
先の「体重」「身長」の例で考えると、100人の男性の体重・身長のデータが与えられたとして、それらの2つのデータの関係性は「身長が増えれば体重も増える」のが判るかと思います。
この身長と体重の「関係」を直線で表すのが線形回帰です。
「線形回帰とは」参考: https://www.codexa.net/linear-regression-for-beginner/